オーバーナイト透析について

nocturnal hemodaialysis

治療時間6時間以上の透析を長時間透析といいますが、これを就寝中に行う透析をNHD(nocturnal hemodaialysis)〜オーバーナイト透析とよんでいます。
長時間(8時間程度)かけて十分な透析を行うことで、通常(5時間前後)の透析に比べ様々な利点が期待されています。

このような方々に

  • 社会復帰(就労就学)をお考えの方
  • 日中に様々な用事や趣味等の活動をされたい方
  • 透析後の倦怠感が強い・かゆみが強い等の透析量不足と思われる症状をお持ちの方
  • 腹膜透析を離脱し血液透析に移行せざるを得ない方の次のステップとして
  • 腎移植後、血液透析を再導入せざるを得ない方の次のステップとして

オーバーナイト透析の利点

十分な透析量の確保

通常の透析に比べリンやカリウム等の小分子には十分な透析量となり、内服薬の減量や食事制限の緩和が期待できます。
必要十分な栄養摂取が可能となると体力も向上し生活の質も向上してまいります。
また、透析アミロイド症の原因物質といわれるβ2ミクログロブリン等の大分子の除去量も増加し、透析に伴う様々な症状(かゆみ・皮膚の褐色化・味覚障害・下肢のつり等)や合併症の出現率も減少するといわれています。
生活の質の向上と透析合併症の減少は生命予後の向上に繋がります。

緩徐な除水速度の設定

通常の倍程度の時間で除水を行いますので、心血管系に与える影響が少なく十分な除水が可能です(ただし適度な水分制限は行って頂きます)。
目標体重に到達し易く血圧のコントロールも良好となり、内服薬の減量・中止も期待できます。
心血管系への負担が減少する事も生命予後の向上に繋がることとなります。

深夜時間帯の透析

当院のオーバーナイト透析は8時間透析をHDFで行う事を基本としています。
透析時間の大半を寝て過ごすこととなり、透析の体感時間も少なく感じる事と思います。
その間ゆっくりと良質な透析を行っておりますので、人体に対する時間単位の負担が少なく、透析後の倦怠感は非常に軽減します。
その結果、透析以外の時間は、健康な方と同様に仕事や作業を行え、自由に過ごせることが期待出来ます。

オーバーナイト透析の適応基準

就寝中の透析は患者様の観察も最小限となりますので、いくつかの適応基準を設けさせて頂いております。

  • 心血管系(脳も含める)疾患が良好にコントロールされている。重篤な合併症がない。
  • 体重管理を含めた自己管理が出来る。
  • VA(内シャント等)管理・穿刺に大きな問題がない。
  • 日常生活動作が自立しており、介助不要で自力で通院出来る。
  • 検査の為の日中の来院が出来る。
  • 医師・スタッフの指示を守れる。協調性がある。
    など

当院でのオーバーナイト透析を希望される方(先ずはお電話にてお問い合わせ下さい)

  1. 通院中の病院からの紹介状
  2. 病歴が把握可能な診療情報提供書
  3. 透析記録、看護添書

を事前に当院までFaxでお送り下さい。
その後、面談させて頂き当院の儲けるルールを含めた注意事項に関する同意と誓約をして頂きました後、日中の導入期間(2週間程度)を経て導入となります。

スケジュール
実施曜日

月曜日・水曜日・金曜日

透析時間

8時間

入室・開始時間

20:30~21:30

消灯時間

23:00

終了・退室時間

4:30~5:30